ヒートベッドの換装と昇温時間短縮ー3Dプリンタ
1年以上前にヒートベッドが50度までしか上がらない問題に対処しました。
しかし、上記記事の内容でもまだ不十分な点がいくつかあります。
今回はそれらの問題に対処していきます。
問題点
現状での問題点は次の通りです。
・電源が二つ必要
・スイッチング回路が別途必要
・まだまだパワー不足
・昇温時間が長い
それぞれの問題点に対処していきます。
ヒートベッドの換装
まずは次の点について対処していきます。
>・電源が二つ必要
>・スイッチング回路が別途必要
>・まだまだパワー不足
そもそも電源を二系統用意していた理由は既存のヒートベッドの抵抗値が高いため、発熱量を多くするためにはメイン電圧の12Vとは別に、より高い電圧が必要だったためです。
逆に考えることもできて、抵抗値の低い(12Vで十分な発熱量を得られる)ヒートベッドに換装すれば良いのです。
(…そんなことは分かっていたのですが、既存のヒートベッドと同じ穴位置のものが売っていなかったため遠回りしてしまいました)
交換前後のヒートベッドの画像はこちら。
before | after |
ヒートベッドはみんな大好きAliexpressで買いました。1300円也。
サーミスタ取り付け
サーミスタはデフォルトで付いていないので注意です。
私は家に転がっていた適当なものを使用しました。
[Tips]
サーミスタの設定はConfiguration.hのTEMP_SENSOR_BEDを触ります。
今回のようにデフォルトで用意されていないサーミスタの場合、値を1000にしてConfiguration_adv.hのほうで下記の詳細パラメータを設定します。
・BED_PULLUP_RESISTOR_OHMS
・BED_RESISTANCE_25C_OHMS
・BED_BETA
これらの値はサーミスタのデータシートに記載されています。
ベースプレートの換装
ヒートベッドの穴位置が違うため、ヒートベッドを固定しているベースプレートも交換が必要です。
↓before
茶色の保護シートが貼りっぱなしのアクリル板を交換します。
また、リニアベアリング3つで保持するという謎仕様でしたのでこの際に4つにしてしまいます。
↓after
アクリル板はモノタロウで調達しました。
1mm単位でサイズ指定できるので便利ですね。
214×214で1290円です。
穴あけはハンドドリルで頑張りました。
組付け後はこんな感じ。
ヒートベッドは皿モミがしてあるのでM3-45mmの皿ねじを使いました。
アクリル板側にタップを切ったため部品点数を削減できています。今のところ緩んだりはしていないのでこれでも大丈夫そう。
結果
ヒートベッド換装により、電源は12Vの一系統で済むようになりました。
さらに昇温時間も短縮され、温度も100度まで上がるようになりました!(パワーは全てを解決する)
コルクボードを貼る
>・昇温時間が長い
人間は無限に欲が出るもので、ヒートベッド換装でも十分に昇温時間が改善されたましたが、まだまだ遅いです。
Twitterで3Dプリンタを弄っている人を見ていると、昇温時間改善のためにヒートベッドの裏にコルクボードを貼っているのを見かけます。
熱が無駄に逃げないように保温することで昇温時間短縮を目指しているのでしょう。
ただ、どの程度効果があるのかがよくわかりません。ということで私もやってみます。
今回用意したのはダイソーのナチュラル コルククラフト。
ヒートベッドの裏に貼られるために生まれてきたようなサイズ感です。
実験方法
常温からヒートベッドの目標温度を150度にしてタイマスタート。
80度に達するまでの時間をコルクボードの有無でそれぞれ計ります。
実験結果
コルクボード無し
24度スタート
結果は8分55秒
コルクボード有り
26度スタート
結果は8分24秒
実験結果まとめ
コルクボード | 80度に達する時間 |
無し | 8分55秒 |
有り | 8分24秒 |
コルクボード有りのほうが30秒ほど短縮できましたが、コルクボード有りが26度スタートだったことを加味すると誤差レベルかもしれません。
おわりに
昇温時間はまだまだ改善できそうな気もしますが、様々な問題が改善されたので満足です!
電源が1つで済むようになったので配線も綺麗になりましたし、火事になるリスクが軽減されるのも良いです。
面倒臭がらずに最初からヒートベッド換装しておけばよかったー
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